お米とお金のリアルな話…(後編)
通福生 通算16号
お米とお金のリアルな話…(後編)
皆さんこんにちは。
八王子高原屋の澤井です。
前回のお話では、お米の反収(1反あたりの売上)は、およそ12~13万円に対して、栽培コストは約13.5万円でやや赤字なんです…というお話をしました。
1反あたりの作業時間は28時間。
農水省の統計では平成18年のデータで約28時間ですから、うちの概算も大きく外れていることはなさそうです。
ここまで書けばお分かりいただけると思いますが、お米を作っても全部機械代にもっていかれるので―それも20年という償却期間、金利なしで―時給は0円。
作るだけ損になります。
耕作放棄して機械を買わない、あるいは処分したほうがいいのです。
時給2,000円と計算すると、現在の売り上げを1.7倍にする必要があります。
つまりお米が約800円/㎏。
消費者からすれば高くて買わない金額です。
まさに、使命感で先祖伝来の土地を守ろうとする思いだけが、稲作を続ける理由になっているのが、悲しいかな…現状なんです。